日本人は風邪薬など、気軽に「薬」を飲む習慣がありますが、たった1錠の風邪薬を飲んだだけで、
「スティーブンス・ジョンソン症候群=SJS」という、致死率「3人に1人」という重症薬疹を発症することがあるそうです。
<Stevens-Johnson症候群(SJS)>
突然の高熱とともに、全身の皮膚と粘膜に発疹と水ぶくれを生じる病気です。発疹や水ぶくれの範囲が少ない場合にSJS、発疹や水ぶくれの範囲が広い場合がTENと呼ばれます。どちらの疾患も、何らかの薬を服用後に発症することがほとんどであり、重症薬疹として位置づけられてもいます。
重症薬疹というのは、命にかかわるほど全身が重篤になる薬疹のことをいいます。発症時に眼障害を伴った場合には全身状態が回復しても、視力障害と重症ドライアイが後遺症となることがあります。
薬の副作用で発症するSJSは難病扱いで、日本には「医薬品副作用被害救済制度」というものがありますが、
後遺症が残り、税金が投入されますので、自分のためにも、全体のためにも、リスクを知って自己管理することが大切です。
で、以下、SJS発症者の体験談です。
<当時40歳・男性>
土屋さんが体に異変を感じたのは、土曜の朝でした。体のだるさを感じましたが仕事を休めないと思い、買い置きしていた風邪薬を飲みました。薬は使用期限内で、用量も用法も守りました。夕方に仕事が終わるころ急に熱が高くなり、妻に「眼が赤い」と言われました。ふと見ると手と足に赤い発疹が出ていました。いつもより早く仕事を切り上げて休みましたが、翌日に症状はよくなるどころか発疹が増えており、熱を測ってみると39度を超えていました。
病院嫌いの土屋さんでしたが、家族の強いすすめで、救急病院を受診しました。そこで医師に、「何か薬を飲みましたか?」と尋ねられたのです。そして、「薬の副作用によるスティーブンス・ジョンソン症候群の可能性がある」と言われ、そのまま総合病院に緊急搬送されました。搬送される途中で意識を失い、危篤状態に陥りました。生死の境をさまよいましたが、約1週間後に意識を取り戻し、一命を取り留めることができました。総合病院では、意識を取り戻してから眼科医の往診を受けましたが、眼の状態が悪いという理由で大学病院に転院しました。
それから1年。皮膚の症状は回復したものの、土屋さんは左目の視力が低下したままで文字を読めず、右目は新聞の大きな活字が何とか読める程度です。常に両眼が乾燥し、長く目を開けていることが出来ません。理髪店を経営していた土屋さんは、ハサミやカミソリを扱うことができなくなり、お店を閉めました。それでも土屋さんは、「助かった命に感謝している。支えてくれる家族のためにも、いつかまた店を開きたい。医学の進歩に期待しつつ、頑張っていきたい」と話してくれました。
<当時22歳・女性>
吉原さんがスティーブン・ジョンソン症候群を発症したのは22歳の初夏でした。大学を卒業し、新社会人として働き始めて数ヵ月後のことでした。
朝起きたときに微熱と咽頭痛を感じた吉原さんは、風邪かなと思い、家にあった市販の解熱鎮痛薬を飲んでから出勤しました。以前にも飲んだことある薬でしたし、用法・用量を守り、使用期限内の服用でした。それから2~3時間後、仕事中に吉原さんは口元に違和感を覚えました。唇が腫れぼったく、熱をもっているように感じたのです。
翌朝になると、目が充血していたので、眼科を受診しました。眼科では「ウイルス性結膜炎の疑い」という診断を受け、点眼薬をもらいました。一方、熱や頭痛など風邪のような症状はよくならず、顔に赤い発疹があらわれ、熱は39度にあがっていました。吉原さんは引き続き、同じ解熱鎮痛薬を飲みました。でも熱は下がりません。1日も早く風邪を治したいと思った吉原さんは、会社を休んで近所の内科クリニックを受診しました。そこの医師からは、症状が風邪とよく似ている「手足口病だろう」と言われました。
吉原さんは病院から戻り、自宅で休みましたが、熱が39~40度のままで下がりません。口の中に水疱のようなものができて、水ぼうそうのような発疹が全身に広がってきました。これはただごとではない。そう思った吉原さんは、最寄りの総合病院の夜間救急センターに駆け込みました。そこで吉原さんの症状を診た医師から、「こんな症状は、見たことがない。診断できないので、大学病院にいってください」と言われました。そして、その場で大学病院の専門医を紹介され、すぐに入院治療が始められました。顔や手にあった皮膚の発疹が、全身に広がっていました。大学病院では皮膚科医の診察を受け、「スティーブンス・ジョンソン症候群の可能性が高い」と言われました。翌日に眼科医の診察を受けて、「眼の表面にびらんがあるので、眼科も毎日診察します」と言われました。主治医より、「スティーブンス・ジョンソン症候群と診断しましたので、治療を開始します。」と説明を受け、点滴・点眼の治療を始めると、翌日から発疹はだんだんとひいて、熱がさがり、眼も開けやすくなりました。1か月半後に退院しました。
全身的な後遺症はなく、視力は良好ですがが、両目がいつも乾燥していて、長く開けていられません。パソコンを長時間みることができず、会社では配置換えをしてもらいました。「何気なく服用しだ解熱鎮痛薬が、こんなに恐ろしい病気につながるなんて思いもしなかった」と吉原さん。「お医者さんでも知らない病気と聞いて、とても不安でした。この病気を一人でも多くのヒトに知ってもらいたいと思います。」と、真剣なまなざしで話してくれました。
ごく普通の人が、風邪薬で「突然」・・という感じですが、
スティーブンス・ジョンソン症候群を知ったのは、こちらの書にパブロン1錠で30代の主婦が死亡に到ったという事例が出ていたからで、
上の<当時22歳・女性>の事例を読んで、ひょっとしたら自分も「SJSを発症しかけていたことがあるかも?」な事例を思い出しました。
18年前、弟の結婚式の当日、急に熱が出たので薬局に寄ったら、イププロフェン系解熱鎮痛剤である「イブ」を薦められ、飲んで披露宴に出席したのですが、
その後1週間たっても、熱がいっこうに下がらず、近所の内科を受診しました。で、医師も風邪かどうか判断つきかねる様子で、とりあえず風邪用の処方でお薬を頂き、
結局、半月位かけて徐々に治ったのですが、今でも時々「あの熱は何だったのだろう?」と不思議です。
で、こちらの「市販薬チェック」によると、ナント、
「イププロフェンはSJSの原因成分である」とのことで、
「イブ」の主成分、イププロフェンは「非ステロイド系」だから「まあイイか・・」と思いきや、トンデモなリスクだったようです。
そういえば、この発熱事件の後、結膜炎など眼の異常が多くなったような記憶がアリ、
自分は、40歳頃から薬を全然飲まない生活にシフトしましたが、30代後半までは安易に薬を飲むタイプだったらしく(本人自覚なし・・)、
「早めに薬を飲む」ライフスタイルから、薬を飲まない生活に移行すると、めったに風邪すら引かなくなることを実感していて、
最近では「手作り酵素ジュース」や、「手作り味噌」がクスリ代わりです。
とは言え、「薬は絶対ダメ」というわけでもないようで、
船瀬俊介氏のチェックでは、
「わかもと整腸薬」など、一部「良」マークな薬も存在します。
しかしながら、風邪薬、解熱鎮痛剤では、「不可」でないのはコレだけで、
<風邪薬>
■山本漢方製薬 薬草茶(優)
クコ、甘草、ヨモギ茶などは治療効果があり、
何種類か試して体質に合うものを
想像以上に風邪薬、解熱鎮痛剤のリスクは高く、気軽に飲めるモノではないようで、
風邪気味で頑張りたい時はドリンク剤の方が、まだイイようです。
<ドリンク剤風邪薬>
■カコナール2 (可)
■本草葛根湯シロップ (可)
■コルゲンコーワ液体風邪薬 (可)
お子様には、一つだけ(可)の風邪薬があります。
<子ども用風邪薬>
■ツムラ漢方内服液葛根湯(小・中学生用)(可)
(可)とは、「どうしても必要な時に・・」で、常用はNGなレベルです。
自分は「風邪かな?」の時は、クラブアップルというバッチフラワーを飲み、スグにスルーしちゃうのですが、
クラブアップルは、薬の副作用をエネルギーレベルで浄化しますので、薬と併用して使うことも出来ます。
結局ところ、自然治癒力さえ発動すれば、薬は必要ないわけで、
ちなみに東洋医学的には、風邪で「熱」がある時は動いてもOKで、熱が下がった時に養生するのが正解なんですが、
「どうしても今スグ、症状を緩和したい・・」という場合は、成分を吟味して、
発症したら重篤過ぎるSJSの副作用を知った今、
舌を噛みそうな「イブプロフェン」という名前はしっかり覚えおきましょう!
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