免疫学とは、もともと人間に備わる免疫力によって病氣を癒す医療分野で、
「白血球の自律神経支配の法則」を発見した安保徹氏は国際的に活躍している免疫学者で、
安保徹先生 プロフィール
1947年青森県生まれ。
東北大学医学部卒業後、アメリカ・アラバマ大学留学中、『ヒトNK細胞抗原CD57に関するモノクローナル抗体』を作製、胸腺外分化T細胞を発見。
1990年新潟大学医学部教授。
白血球の自律神経支配のメカニズムを解明、胃潰瘍の原因が胃酸であるとの定説を覆して注目され、現在も国際的に活躍している。
『体温免疫力』『病気は自分で治す』など著書多数。
十数年前にバッチホリスティック研究会が主催するコンファレンスで講演した際も、実に分りやすく、免疫のことを説明してくれましたが、
バッチフラワーを「パッチワーク」だと思っていたとかで、
大いに笑いを取る一面もあり、ひょうひょうとした気のイイおじさんという印象でした。
この安保氏の免疫理論は、医学会の常識をある意味覆すもので、
「疲れない体をつくる免疫力」によると、
「疲れ」とは病氣になる一歩手前のありがたいサインであり、
そのサインを読み取れない、あるいは読み取りミスをさせてしまう大きな原因は、
現代人に多くなっている「自律神経の乱れ」です。
「自律神経失調症」はよく聞く病名ですが、自律神経には2種類あります。
①交感神経
主に日中に活発になり、「元気はつらつ」「やる気まんまん」の状態を作り出す神経
②副交感神経
夕方から夜に活発になり、「ゆったり気分」「リラックス」の状態を作り出す神経
そして同じ「疲れ」でも、どちらが優位であるかによって違いがあります。
①交感神経優位タイプの疲れの感覚
いつも、体が疲れている。イライラする。ピリピリした不安感が強い。原因を周りの人のせいにして怒りやすい。興奮して夜眠れない。血圧が高い。血糖値が高い。肩、背中、腰に、活動のしすぎによる疲れ、痛みが出る。便秘がひどい。体温が低い。
この交感神経優位タイプは、バッチフラワーだと、
物事が「速く」進まないとイラつく「インパチェンス」とか、
過度に集中した状態をコントロール出来ない「バーベイン」とか、
頭の中に考え事が浮かんで安まらない「ホワイトチェストナット」などが該当します。
一方、副交感神経優位タイプの疲れ方は、次の通りです。
②副交感神経優位タイプの疲れの感覚
少し動くだけでも疲れる。やる気が起らない。他人の目が気になる。小さなことが気になる。落ち込みやすい。朝起きるのが億劫になる。筋肉が弱って、肩、背中、腰が疲れ、痛む。下痢をしやすい。体温が低い。
こちらの副交感神経優位タイプは、バッチフラワーだと、
朝からまったり気分で中々エンジンかからないホーンビームとか、
うすぼんやりとした夢の世界に生きてるようなクレマチスとか、
無力感にとらわれ「精神的貧血」状態のワイルドローズなどが該当し、
それぞれの性格タイプは正反対になりますが、
どちらも「体温が低い」というのは共通であり、免疫力が活発になる適切な体温は36.5〜37度の近辺です。
<健康な人の体温は36.5度>
自律神経は体温も調節しています。体温は日中は高く、眠ると低くなり、自律神経のバランスのとれている人の体温はおよそ36.5度です。元気な人はそれよりも高いくらいで、限界は37.2度くらいと考えてください。36.0~37.2度が健康な人の体温で、35.8~36.0度くらいが下の限界です。
低体温になるとさまざまな病気が起こります。例をあげて説明しましょう。
細胞の中の核酸が代謝されると尿酸が生まれますが、尿酸値が高いだけでは痛風は起きません。低体温によって尿酸が結晶化すると初めて痛風になります。
腰痛に対して一般的に処方されるのが消炎剤です。確かに痛みは止まりますが、血流も止まってしまい、体温も下がります。薬の効果が切れると血液が流れ始め、再び痛みが現れるのです。加えて、薬の興奮作用によって眠れなくなります。
病気が病気を呼んでいるのです。どこかで薬を遮断しなければなりません。
昔なら湯治をしていました。お風呂に入って血流を改善していたのです。
実はガン細胞も低体温を好むことが判明しています。
日本が豊かになってせっかく寿命が伸びたのに、薬などに頼りすぎて病気を悪化させてはつまらない話です。病気の成り立ちを理解し、今日お話ししたことを実践して健康な生活を送ってください。
「体を温める」だけでも「疲れにくい体」になりますので、
我が家では、寒い時期はゆっくり湯に浸かったり、湯たんぽなどが活躍してますが、
50年前の日本人の平均体温は36.9度だったそうで、薬や食品に含まれる抗生物質が低体温を招いています。
薬の常用が、ガンなどの原因になると言われてる理由は、
薬による「交感神経優位」状態が長期にわたると、白血球のバランスが悪くなり免疫系に異常をきたすからです。
白血球は「顆粒球とリンパ球」で95%を占めてますが、
白血球の数の増減は疲れのバロメーターで、
①の交感神経優位の疲れの場合は、知覚が鈍くなり、顆粒球の数が増える
②の副交感神経優位の疲れの場合だと知覚が敏感になり、リンパ球が増える
という関係です。
顆粒球は白血球の54〜60%で、大きなサイズの外的から体を守る働きをします。
リンパ球は白血球の35〜41%で食事などで体内に侵入してきた異物やウィルスなどの、細菌よりずっと小さな敵を処理します。
残りの約5%がマクロファージで、顆粒球より大きなサイズの外敵を食べたり、体内の老廃物を除去したり、顆粒球やリンパ球に「敵が侵入したから、やっつけろ」と指示を出すなどの働きを担っています。
顆粒球の数が増え過ぎると、外的と闘うだけでなく体の中に住んで重要な役割を担っている常在菌とも戦い始めます。・・
こうして体のあちこちで化膿性の炎症が起き始めます。にきび、おできから始まり、急性肺炎、化膿性扁桃腺、骨髄炎などがそうです。
また、顆粒球の多すぎる時は、たいてい体温も下がって酵素の働きも悪くなり、血流も滞って、新陳代謝の働きが弱まっています。
こうして、修復が追いつかなくなり、活性酸素による組織の老化が起き始めます。気になる皮膚のシミ、シワ、くすみや動脈硬化などです。
さらに、体のあちこちの粘膜で組織破壊が起き始めます。口内炎、歯槽膿漏、胃炎などです。
「交感神経優位」で顆粒球の多すぎる状態がさらに悪化すると、がん、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、十二指腸潰瘍、白内障、糖尿病、甲状腺機能障害、クローン病などが出てきます。
逆に「副交感神経優位」でリンパ球が増え過ぎると、花粉やホコリなど、通常なら外的と見なされないようなものにまで、増えすぎたリンパ球が過剰に反応し始め、アレルギー性の疾患が生じます。
ぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症、通年性の鼻炎などがそうです。
安部氏によると、副交感神経を優位にさせる原因は1つですが、
副交感神経優位を優位にさせる原因は、ただひとつ、たるんだ生活です。仕事や人間関係に緊張を強いられることもなく、運動不足で毎日を過ごしている例です。じつは、ストレスの少ない生活も、疲れを生むのです。
「交感神経優位の原因」は3つです。
①働き過ぎ
②心の悩み
③薬の常用
特に③については、こう警告してます。
西洋医学で処方される薬は、ほとんどが交感神経を緊張させるものです。特に、消炎鎮痛剤や降圧剤やステロイド剤を数種類以上の長期にわたって使用すると、体を交感神経優位に傾けさせます。
つまり、頭痛などで気軽に消炎鎮痛剤を飲むのは「本末転倒」な対処法であり、どんどん「疲れやすい」体になっていきます。
自分も昔は頭痛持ちでしたが、頭痛薬を一切止めたら、めったにしなくなり、
たまに頭が痛くなってもスグに収まるようになりました。
そして頭痛薬を飲んでる頃は、やたらと膀胱炎とか結膜炎になりやすく、風邪も時々引いてましたが、
薬を飲まなくなったら、それらの症状もピタリとなくなりましたので、消炎鎮痛剤が顆粒球の数を増やし、炎症系の病氣を起き起こすというメカニズムは納得です。
もっともその頃は(若かったので)、「疲れやすい」という自覚はありませんでしたが、
交感神経優位になると知覚が鈍くなる
副交感神経優位だと知覚が敏感になる
というのは大事なポイントであり、
現代社会は薬だけでなく、交感神経を優位にする刺激が満ち溢れており、「疲れ」に気づかず重篤な病を発症するパターンが多いですので、
自分の疲れの原因、タイプを知り、1日の中で「活動と急速のリズム」をバランス良く取り入れ、的確に「休む」ことが大切なようです。
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