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「未来からの警告」と奥田英明「サウスバウンド」に学ぶ自分を好きになる生き方

「未来からの警告」と奥田英明「サウスバウンド」に学ぶ自分を好きになる生き方

「未来からの警告!」というベストセラー書によると、リオ・オリンピックが終わると株価が下がり、

2016年夏から秋にかけては、ユーロ発「第2のリーマンショック」がはじまるそうです。

4月に発行された本ですが、6月に英国がEUを離脱したのは、

ユーロ危機に巻き込まれることを、英国は回避する意図があったとのとで、

「ユーロショック」「チャイナショック」「イエレンショック」の3連発で株価は大暴落との予想です。

2016年は多くの著名な海外アナリスト(ハリーデント氏、ボーポルニー氏)がユーロショックにより世界の株価は70%下落すると予測しており、NY株は18000ドルから5500~6000ドル、日経225も同様に17600円から5000~5500円まで、1929年の世界恐慌並みの暴落になると予測しています。

2017年以降、米国は赤字財政をチャラにする為、米国債を暴落させて基軸通貨ドルを守る為、デノミ(通貨切り下げ)を行います。デノミにより米国は新紙幣を発行する為、他の国もデノミをせざるを得ない状況に世界は追い込まれます。日本はデノミをしなければハイパーインフレに見舞われますから、日本政府も新紙幣(通貨の価値は10分の1)を発行します。日本の財政赤字は1200兆円から120兆円になりますが、日本の財政赤字を国民が負担することになります。

2017年も円高、ドル安、ユーロ安は進み、世界株式はさらに下落します。金は2016年に一時的に1000ドルを目指しますが、2017年は上昇します。WTI原油価格は米国シェールガス・油田投資の破綻(60~数百兆円)から2016年は二番底を形成しますが、2017年から上昇に転じます。

この本は2016年から2017年にかけてのT2モデルによる市場・株価・商品分析をしています。分析内容が細かく、未来への準備として大変参考になります。是非、読んでみてください。

Amazonレビューより

いやはや、摩訶不思議で先行き不穏な経済界の見通しですが、世界経済が行き詰まっているのは確かなようで、

あのロスチャイルドさんも、危機感を募らせる発言をしてます。
greatest-experiment2016年8月17日のロシア・トゥディより

まあ、株も金融もウチには無縁なお話ですが、資産家な方々には枕を高くして寝れない状態のようです。

で、こんな未来への心構えにピッタリな「小説」を、つい最近読みました。

直木賞作家の奥田英明は多岐な作風が特徴で、

下手なカウンセリングに行くよりためになる、

神経科医の伊良部一郎シリーズを知って以来、ちょくちょく読んでますが、

11年前に書かれた「サウスバウンド」は、

バジャールも予告する2016年以降の世界の泳ぎ方を、

「元過激派」を両親に持つ小学生の視点を通して、実にわかりやすく、リアルに描いています。

伝説の革命家だった一郎という名のお父さんは、今は右にも左にも属しない「独立個人」として、オカシイことはオカシイと堂々と発言し、

学校にまで「抗議」するので、小6の息子、二郎はいいかげん辟易してますが、

一家で沖縄の「西表島」に移住した上原二郎に対して、
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東京の小学校の元担任教師はこんな手紙を出します。

さて、先生は上原君にあやまらなくてはなりません。それは修学旅行の積立金のことです。いつか上原君のおとうさんから、高すぎると抗議を受けたとき、先生は、その件で学校で来るのは迷惑だと言いました。

でも、実を言うと、先生もあの旅費のことは内心おかしいと思ってました。ほかの先生たちもきっと同じです。心にやましいところがあるから、ふれられたくなかったのです。

先生たちが出張をするときなどは、同じ旅行会社にたのむと、とても安くめんどうを見てくれます。・・・

ようするに、その見返りとして、生徒たちの遠足や修学旅行が高くなっているのです。これは世間で言う癒着というもので、東京のほとんどの学校で行われている不正です。

だから、上原君のおとうさんの言い分はもっともで、学校はそれが外にばれるのを恐れたのです。校長先生のあわてぶりは見ていてこっけいでした。あのあといろいろ聞いてみたら、校長先生は以前、家族のハワイ旅行をただで招待されたことがあるそうです。それはあわてますよね(笑い)。

学校と上原君のおとうさんの間で板ばさみになった先生は、あのときかなり悩みましたが、今はどうして上原君の味方をしてあげられなかったかと後悔しています。先生は生徒のことより、職場のことを考えました。

ただ波風を立たせたくないばかりに、上原君に正しくないことを言ってしまいました。教頭先生や学人主任から「なんとかしなさい」と迫られて、パニックになってしまいました。本当にごめんなさい。

今からでも校長先生に文句を言えばいいのでしょうが、まだ新米教師の先生にはその勇気がありません。先生、情ないよね。もうクラスのみんなにえらそうなことは言えないよね。

上原君も大人になればわかりますが、大人の世界にはこういうインチキがいっぱいあります。大人は正義より、自分の利益を優先します。大人は基本的におくびょうでずるいのです。それをここにみとめます。

上原君のおとうさんのように、正々堂々と意義をとなえる人は、百万人に一人ぐらいです。自慢に思っていいと思います。少しコワイけど(笑)。

上原君たちの世代が大人になったら、どうか、正しいことを言った人間が損をしない社会をつくってくださいね。協調性も大事ですが、悪いことに協調していては意味がありません。先生もこれからはもう少し抵抗してみます。旅行会社にいやみぐらいは言ってやろうかと思っています。

うら若き女子先生の思いがけない告白に、二郎は勇気づけられたのですが、

そういえば元東京都知事も、「公費で家族旅行」してましたね〜

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奥田英明氏の小説はディテールが小粋で、

上巻では、二郎ママの実家が、実は四谷の老舗呉服屋だったことがわかり、

豪邸に住む四谷の祖母が、やっと面会出来た孫の二郎と妹の桃子に、

たい焼き御三家の一つ、

「若葉のたい焼き」を勧めるシーンが妙にリアルでしたが、

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イリオモテ山猫のいる、

美しい西表島に舞台を写した下巻では、
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帰国子女で東京で不登校なり、西表島に移住した叔母に預けられた小6女子の七恵ちゃんの、

開発業者と戦う「市民運動」に熱を入れる叔母を「視る視点」が妙にリアルです。

「ほら、うちの保護者は環境問題に熱心だから」冷ややかな調子で七恵は言った。

「知ってる。昨日うちに来た」

「上原君のお父さんは入会を断ったんでしょう?そのあとうちで会合があって、みんながぶつぶつ言っていた。見損なったて」

「そんなこと言われたって」

「いいのよ。いい大人がろくに仕事もしないで、運動を生きがいにしているんだから」

「そうなの?」

「小学生にはうまく言えないけど、働かないことや、お金のないこや、出生しないことの言い訳にしている感じ。正義を振りかざせばみんな黙ると思ってる」

かつてはキューバのカストロと親交があり、
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琉球の英雄「アカハチ」の子孫と噂されている一郎父さんは群れるのが大嫌いな生粋のレジスタンスで、息子の二郎にこう言います。

「二郎、世の中にはな、最後まで抵抗することで徐々に変わっていくことがあるんだ。奴隷制度や公民権運動がそうだ。平等は心やさしい権力者が与えたものではない。人民が戦って勝ち得たものだ。誰かが戦わない限り、社会は変わらない。お父さんはその一人だ。わかるな」

二郎は黙ってうなずいた。

「おまえはおとうさんを見習わなくていい。おまえの考えで生きていけばいい。おとうさんの中にはな、自分でもどうしようない腹の虫がいるんだ。それに従わないと、自分が自分じゃなくなる。要するに馬鹿なんだ」

同じ「社会のために」という行為でも、自分の「魂の声」にしたがっているのと、

活動に逃避して自分を慰めている状態では、雲泥の差があることを子供達はちゃんと見抜いています。

さて、この「サウスバウンド」を読んで感じた2016年以降の世界とは、

西表島での上原一家に、食べ物など必要なモノがどんどん集まっていったように、
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「正しいことを言った人間が損をしない社会」であり、
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おくびょうで、自分の利益だけを優先し続ける企業や人は淘汰されていく世界であり、

アテにならない摩訶不思議な経済の仕組みに振り回されるより、身近な人間関係を大切にして、

お金や正義を振りかざさなくとも、自分自身を大好きでいられる世界だと思いました。

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