ちょっと体調を崩すとスグに病院に行く人がいますが、いくら検査をしても原因は見つからず、
「心気症」と判断され、心療内科や精神科にまわされたら要注意です。
<心気症>
頭痛や胃痛といった、些細な心身の不調を誤って解釈し、「がんなどの重篤な病気にかかっているのではないか」と思い込んでいるものである。いくら検査などで身体に異常がないと指摘されても、容易に考えを変えることができず、病院を転々とすることもしばしばある。
たとえば、バルザックの『谷間の百合』に出てくるモロソフ伯爵がこれにあたる
なぜなら、フランス革命後のヨーロッパ社会の混乱と欺瞞を描写したオノレ・ド・バルザックの「人間喜劇」シリーズの代表作、
「谷間の百合」は今風に言うと、よーするに青年フェリックスとモロソフ夫人のプラトニックな「よろめき恋愛小説」ですが、
封建的で「心気症」な夫、モロソフ伯爵が今の日本にいたら、
薬漬けでフラフラになる可能性が大です。
「日本では抗生物質など、風邪には効かないことが科学的にわかっている薬をいまだに出す医者がいます。アメリカでは考えられないことです。
インフルエンザについても、日本ではよくタミフルが処方されているようですが、よほど高齢で体力がない患者でない限り、アメリカではタイレノールという鎮痛剤くらいしか処方されません。また、日本で多用されているロキソニンもアメリカではリスクの高い薬として認識されています。
『なにも飲まずに寝ていたら治ります』といわれても日本の患者は納得しないそうですね。保険で安く薬がもらえるので、なにか『お土産』がほしいのでしょう。しかし、そのお土産には副作用も含まれていることを日本人は忘れているようです」
日本人が医薬品にかけているおカネは先進国のなかでも突出している。日本の医薬品費はGDP比で2・1%と、先進諸国の中で1位だ(比較的投薬量の多いアメリカでも1・9%、フランスで1・6%、スウェーデンでは1・0%、デンマークに至っては0・5%)。
「どうせ保険が利くから、もらえる薬はもらっておこう」という国民皆保険制度の負の側面が、作用しているのだ。
薬の副作用、とりわけ多くの薬を併用した時の飲み合わせの問題は、海外でも問題になっている。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「アメリカでは薬は4剤までというのが一つの基準になっています。常にどの薬を残し、どれをやめるかというチェックする習慣がある。
一方、日本では、例えば抗うつ剤や統合失調症の薬について『抗うつ剤なら3剤を超えると診療報酬を減額する』という基準を厚生労働省が定めています。
これは逆に言うとうつ病の薬だけで3種類も飲んでいる人がいるということです。他の薬を合わせると数倍の薬を処方されているケースだってあります。そうなると飲み合わせによる副作用の危険性は飛躍的に高まります」
「保険が利くから」といっても元を正せば、自分たちの払った税金、保険料である。無駄なカネを払って副作用のリスクを買っているのだとしたら、これほどばかげた話はない。自分の飲んでいる薬のリスクと効果を今一度見直したいところだ。
「週刊現代」2016年6月25日号より
いつのまにか日本の医療は異常な状態になっていたようで、
他の先進諸国は「ムダと害」を排しているのに、今だに「垂れ流し」状態で、
「日本の医薬品費はGDP比で2・1%で世界一」とともに、全く誇れない事実です。
また日本では、ごく普通の人達にもスグに睡眠薬や精神安定剤を出すようですが、
薬をたくさんもらって「お得な」気分になるのは、アドラー心理学の「共同体感覚」に反する行為ですし、
個人の健康と幸福という観点からも、
宇宙の摂理に逆らっていることが、自然治癒力を妨げているとも考えられます。
天才の誉れ高いバルザックは、現実的な享楽主義者で、かつ神秘主義者でもありましたが、
オノレ・ド・バルザック
イギリスの作家サマセット・モームは、『世界の十大小説』のなかで、バルザックを「確実に天才とよぶにふさわしい人物」と述べている。バルザックは90篇の長編・短編からなる小説群『人間喜劇』を執筆した。これは19世紀ロシア文学(ドストエフスキー、レフ・トルストイ)のさきがけとなった写実的小説群である。
フランス革命後、拝金主義が顕著となり、貴族も庶民もブルジョワジーも、税金や年金の損得勘定でアタフタしてる中、純粋な魂を持った人々の苦悩を情熱的に描き続けました。
パリのロダン美術館にある、
バルザック像は、ロダンの「苦悩する人間へのオマージュ」です
21世紀になってようやく、バルザックの苦悩は報われつつあるようで、
米国ではモンサント製品をボイコットするアプリまで発売されましたが、
“新しい携帯電話アプリは、ユーザーがコッホ・ブラザーズとモンサントの製品をボイコットすることができます”
日本ではまだ、「モンサントって何?」という人がほとんどのようで、
自分もコチラの動画で改めて「ゾッと」した次第ですが、
「モンサント」で体調不良→他の先進国では使われない薬をもらって喜ぶ・・という図式は、まさにバルザックの描く「人間喜劇」であり、
レプリカが箱根彫刻の森美術館にあります
ほんとうに必要な薬は否定しませんが、
「どうせ保険が利くから、もらえる薬はもらっておこう」
は免疫力を確実に低下させるし、財源のムダ使いですからヤメた方がイイと思いますよ〜
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