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現代社会に蔓延する慢性痛の謎を解いたサーノ博士のTMS理論

現代社会に蔓延する慢性痛の謎を解いたサーノ博士のTMS理論

TMSとは「緊張性筋炎症症候群」の略称ですが、

ニューヨーク医科大学のジョン・E・サーノは1980年代にTMS理論を発表し、

腰痛などの痛みのほとんどが、実は構造的な問題ではなく、
腰痛

感情的ストレス、特に「怒り」を抑圧していることが原因であるとし、

サーノ博士は「患者が自分の身体と心で起きていることに気づけば」

その情報の力で患者は速やかに回復し、しかも、心理療法が必要になるケースは稀であると述べています。

<情報の持つ治癒力>

単に身体から心へ意識を移行させるだけで目的を達してしまう人もいれば、治癒プログラムがどのようにして効果を上げるかについてもっと情報を必要としている人もいる。さらに、心理療法が必要になる人さえいる。

しかし、どのケースにおいても情報が”治癒”に不可欠であるのは変わりない。患者が自分の身体と心で起きていることに気づけば、脳の戦略は頓挫することになる。・・

ごく少数のケースで、憤怒や深い悲しみといった感情を実体験しないと痛みが消えないことがある。こういう場合は必ず適切な訓練を受けた心理療法士の助けを借りなければならない。

50代のある患者のことが思い出される。彼は母親に対する怒りをずっと引きずっており、自分でもそれに薄々気づいていた。しかし、痛みが消えたのは、心理療法士との治療の中え抑圧していた憤怒を初めて実際に体験できたときであった。

TMS患者の85〜90%は心理療法を受けなくとも改善しているとのことで、

こういう時代ですので、誰もが多かれ少なかれストレスを溜め込んでいるわけであり、
肩こり

痛みの原因に「気づく」だけで、「実質的な治癒」になるとサーノ博士は述べています。

しかし、病因に感情が関わっているのだから、病氣になったのは患者自身のせいだ、というような悪意に満ちた結論を出すのは避けなくてはいけない。

細菌に感染したとき、細菌が体内に入るのを「許した」自分が悪いとは考えない。それと同じで、本人を責めるのは筋違いである。心因性疾患に罹った人は、自らから罹ろうとして罹ったわけでもなければ、仮病を使っているわけでもない。

そこに関係しているのは、複雑な仕組みの生理・心理間の相互作用であり、意識はそれを感知もしていなければ、コントロールもしていない。

性格特性と呼ばれる完成品には、数多くの遺伝的要因および環境要因が寄与している。その発達プロセスは複雑をきわめ、人類はその解明に着手したばかりである。

心を突きとめることや、感情が身体の機能不全を引き起すプロセスを学ぶことが、実質的な治癒になる。それが、TMSとその等価疾患に取り組みながら、わたしが学んだことである。

実際に、上記の本を読み、理解しただけで回復した方も多いようです。

<星五つでなくノーベル医学賞五つ!>

私は、頸肩腕の痛み、腰の痛みに悩んでおり、それに対する整形外科的治療に幻滅しております。加えて、会社勤務時代に莫大な医療費を支払う部門に在籍していたことがあり、治療費を払っても患者の治癒・満足に結びつかない現代医療に危機感を抱くようになりました。

眼前の患者を治す中で生まれたサーノ博士の心身相関(理)論は、シンプル、実践的かつ強力です。わが国で読める心身医学の教科書の標準的体系を少し修正すれば、サーノ理論に限りなく近づきますから、決して奇矯な学説ではないのです。・・

サーノ理論が患者に普及すれば、現在整形外科で行われている非科学的で効果の無い疼痛治療、根治を期待できない(たいていは不必要な)手術療法が一掃されることになり、国民医療費は目に見えて減り、治癒率も飛躍的に上がるでしょう。・・

なお、私の腰と頸肩腕の症状に関して言えば、本書を三分の一読んだ時点で、苦痛は完全にコントロール可能になりました。

Amazonレビューより抜粋

サーノ博士は、TMSの痛みの発生には三種類の組織が関わっているとします。

筋肉
神経

の三つだ。

筋肉の中で脳がターゲットにするのは姿勢筋と呼ばれるもの

首、肩、背中、腰の筋肉

のみだが、特にターゲットにされやすい部位というものもある。

当然といえば当然だが、ターゲットとなった筋肉内やその周辺の神経が巻き添えを食らうこともある。

たとえば、腰部や臀部の筋肉がターゲティングになった場合、腰神経や座骨神経も影響を受ける。TMSは気まぐれだ。筋肉にしか現われないこともあれば、神経にしか現われないこともある。

腱も、部位を問わずターゲットになるうる。特に症状の現われやすい部位もある。反復性ストレス障害の場合には、腱に問題が発生するケースが多い。

普段やりつけない運動や動作をしたあとに生じる筋肉痛は、だいたい一両日で消えます。

しかしTMS患者の場合は、何日も何種間も、ときには何ヶ月も続くわけで、

これは脳による「条件付け」が、

筋肉
神経

に影響を与えているという仕組みであり、

つまりこの図の「痛みを我慢する」は、

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「怒りを我慢する」の置き換えであり、そういった置き換えは、

腰痛だけでなく、多岐にわたる疾患を引き起す「元」となっています。

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つまり、実際に筋肉らが炎症を起したりしていることは確かであっても、

その「元」となるのは脳であり、脳に指令を与える根っこは感情的ストレスです。

<脳は不調を自作自演する>

アメリカやカナダでは、1950年代から1980年代にかけて胃潰瘍や十二指腸潰瘍の発症件数は激減し、慢性的な肩こりや腰痛の発症件数は激増したと報告されています。

サーノはこれらの事実から、脳は抑圧された感情から目を背けさせるための手段として昔は胃潰瘍や十二指腸潰瘍による痛みを多用していたが、近年は肩こりや腰痛や関節痛などのTMSの方をより頻繁に使うようになったと言います。

そんな手段の乗り換えが起こった原因は、「胃潰瘍や十二指腸潰瘍はストレスが原因で起こる」という理解がアメリカやカナダで既に常識となってしまったこと。
 このような社会では、いくら脳が消化器に潰瘍をこしらえたとしても、潰瘍についての常識が「感情の問題から目を反らす」という脳の目的を邪魔してしまいます。 

その点、肩こりや腰痛や関節痛については、脊椎や筋肉の構造的な異常、神経の圧迫、姿勢の歪みといった物理的な要因で発生するという理解のされ方が一般的。
 
患者本人が「物理的な理由で痛みが生じている」と信じ込んでいる限り「感情の問題から目を反らす」という脳の目論みはまんまと成功しているので、脳はこの便利な逃避手段を多用することになりました。

ですから、TMSに対する根本的な治療法とは、感情の問題から目を反らさないこと。
 
脳が身体にいたずらするTMSの仕組みを患者本人がしっかりと理解し、肩や腰や関節などに激痛が走ったときに「私の脳はどんな不快な感情から気を反らせたくてこの痛みを作っているんだろう」と問い直す習慣を身に付ければ、痛みはじきにおさまります。

いくら痛みを作ったところで「感情の問題から目を反らす」という当初の脳の目的はもう果たせないので、身体に痛みを作ろうとする脳の動機がなくなってしまうのです。

この治療法の難点は、世間の常識が邪魔をして、「脳が痛みを自作自演している」というTMS理論を患者本人がなかなか受け入れられないということ。

痛みを和らげるための対策として、安静にしなさい、姿勢をよくしなさい、筋肉を鍛えなさい、ストレッチをこまめにしなさい、血行をよくしなさい、といった物理的なアドバイスが世間に溢れているために、物理的な要因を真っ先に心配する習性が染み着いてしまっているのです。・・・・
 
このように、脳の目眩まし戦略を手助けするような常識が世間で幅を利かせているため、いくら患者がTMS理論を頭で理解したとしても、長年培ってきた思考の癖は一朝一夕では抜けきれません。
 
ですから、サーノはそれまでの刷り込みを書き換えるために、TMS理論の留意点をまとめた以下の「毎日の注意」を毎日復習するよう患者たちに指示します。

◆痛みは(身体の)構造異常ではなくTMSのせいで起こる
◆痛みの直接原因は軽い酸素欠乏である
◆TMSは抑圧された感情が引き起こす無害な状態である
◆主犯たる感情は抑圧された怒りである
◆TMSは感情から注意をそらすためだけに存在する
◆背中(肩)も腰も正常なので何も恐れることはない
◆それゆえ身体を動かすことは危険ではない
◆よって元のように普通に身体を動かさなくてはいけない
◆痛みを気に病んだり怯えたりしない
◆注意を痛みから感情の問題に移す
◆自分を管理するのは潜在意識ではなく自分自身である
◆常に身体ではなく心に注目して考えなければならない

このTMS理論をサーノが提唱し始めてから、もう30年以上が経ちます。
心が身体に影響を及ぼすという心身症についての見識は当時よりかはいくらか一般的になってきましたが、それでも肩こりや腰痛や関節痛に関しては物理的なアプローチによる治療の方がまだまだ主流です。

ですが、上に挙げられた12ヶ条の留意点が「地球が丸いこと」と同じくらい当たり前の常識となる日が来れば、肩こりや腰痛や関節痛に悩まされる人はほとんどいなくなっているのかもしれません。

mrbachikorn

バッチフラワーの創設者、バッチ博士も感情的ストレスがもたらす心身相関関係にいち早く気づいた医師でしたが、

現代医学が、この問題に蓋をしてることに、サーノ博士は、疑問を呈しています。

20世紀も後半だというのに、どこを探しても心身医学の研究にはフロイトやその後継者の時代の熱心さがないではないか。身体医学の専門家や精神科医はほぼ完全に無視を決め込んでいる。

医師免許を持たない心理学者は、身体症状を評価する教育を受けてはいないため、こうした疾患の身体症状の研究に加わることはできない。精神分析医だけがこの問題に関心をもちつづけ、書物や論文を買いてきたが、その視野は狭く、潰瘍性大腸炎など、重篤な心身症にしか目を向けていない。

わたしの理論は心理学であるが、感情を原因とする身体症状のみを扱うものえある。わたしは情緒障害を治療する心理療法士ではない。身体を治療する医師であり、そういう医師が身体疾患の心理的原因を突きとめたのである。したがって、わたしが提起している問題は、一方では身体を治療する構造志向の医師による、他方では心理学者/精神科医による、それぞれ異なった文脈における評定を必要としている。双方の考え方をつなぐ橋が必要である。

バッチフラワーを長年、自分にも他者にも使っていてしみじみ感じているのは、

私たち人間は大きな脳があるために、たくさんの「幻想」を作り出してますが、その大きな脳で自ら再プログラミングすることも可能だということで、
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そういったことを豊富な臨床データと医学的根拠で解説してるサーノ博士のTMS理論は、

腰痛やからガンまで、あらゆる病氣が老化が原因で起こるという神話=脳の戦略を覆す、当たり前かつ画期的な理論でした!

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. サーノ博士のTMSはサーノ教授のTMS(多摩美システム)とは大違いみたいですネ。(・・;)

    ところで支配されちゃう本、読み終わりました。
    これは変化の時期ならでわに登場してきた橋渡し的な感じの本だと思いまちた。
    心理学的なコトが色々と書いてあったし、本人もスピじゃないとかいってたけれど、わたしには少し進化したスピ系みたいに感じました。

    スピじゃないのをことさら強調するのは、筆者がいってる「心」というのがスピでよく言われていたハイアーセルフやインナーロスチャイルドとかと混同されたくなくて区別したい(魂度が高くなっている)コトと、最近のスピがちょっとヒドイ(特にチャネリング系において)というか、此処にいたっては副作用が大きいっぽくなるのが目立つので、そもそもチャネリは自分でやるのが基本というのもあってああいう言い方をしてるのかなと思いまちた。

    それとも自身は無自覚で、彼を担当してる指導者の方針なのかもだけど、どちらにしても心理学というより心霊的(こっちの世界も危険がいっぱい!)だと思いますが、とにかくそういったモノが好きな人が読む(支配者タイプだとそもそも読まない)本だと思うので、そういう人たちにそういったモノからちょっと距離をとって欲しいと思ってるように感じました。

    • <サーノ教授のTMS(多摩美システム)>

      うっ、まだしぶとく目立ちたいのですネ!

      <わたしには少し進化したスピ系みたいに感じました。>

      ですね〜、今までの心理学は「頭でっかち」だとスピ系から霊系からも馬鹿にされる感がありましたが、やっと「出たね!」って感じです。

      「吾輩は神である」罠にハマらないという点は、ある程度「頭」でヤル人達の方が心得てはいるようですが、ミンデル(ユングの変型)のワークショップとか妙に暗ーい感じで、ペルー先生の所と好対照でした。

      その点、大嶋氏の文章には暗さがなく読みやすいのですが、無敵無意識の方はちょっと違った雰囲気で、チャネリング体質なのかもしれないと感じました。

      ですので、最後の指摘もビンゴだと思いますよ!

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