簡単にやる気が出る方法として「掃除を5分間する」を推奨する小山竜央氏は、
一時期はホームレスにまでなった経験があり、
いわゆる自己啓発セミナーは、一時期は情熱を駆り立てられ「やる気」になっても、
人間とは、馴染みのないこと、めんどくさいことは、脳が拒否するので、
<脳はそもそも「変わりたくない」>
人の脳は、生存本能を最大限に働かせて機能しているので、今生きていけるのであれば、無理に変化を求めようとしません。
むしろ安定性を求め、昨日と同じ働きをしようとします。このため、何か新しいことを始めようとすると、脳は「そういうことはやめておいたほうがいいよ」と信号を出してきます。今日の自分を変えていくというのは、この変わるたくない脳とのバトルでもあるのです。
日常の小さなアクションを大切にするという、心理学でいうスモールステップの理論を応用し、この2点を強調します。
・脳が面倒くさいと思わないレベルの小さなアクションを積み上げていく
・今やらなくてはならないことだけを考え、そのことに集中していく
しかしながら、「やる気がない時は無理をせず、リラックスして「脳」の声に耳を傾けることが大切です」と言い、
ロジカルよりラテラルを推奨し、なかなかスピリチュアルな感性を秘めてるようです。
<ロジカルシンキングよりもラテラルシンキングを>
日本の社会では、論理的に物事を考えようとする傾向が強いようで、ロジカルシンキング崇拝者が多いと言えます。
それとは別に、既存の考え方にこだわらないラテラルシンキングを身につけることも大切だと思います。
ラテラルシンキングは、考えがあちこちに広がっていくので、「水平思考」や、「飛び飛びの発想法」と言ってもいいかもしれません。
過度にロジカルな方向に偏りすぎると、思考が凝り固まり、新しいことに挑戦する意欲が減退する可能性も考えられます。
そうなると、物事をスムーズに進めていくことがうまくいかなくなります。また、柔軟に物事を考えられる人が減少すると、世の中は窮屈になってしまうことでしょう。
教育の仕方を考えてみても、従来のように論理的な考え方を詰め込もうとするのではなく、発想力を育てたり、思考力を伸ばす訓練をしたほうがいいと私は考えています。
小山竜央氏はまた、私たちは過去の記憶に支配されており、
それを忘れることは出来ないけど、変えることは出来る・・と言います。
「新しい情報をどんどん記憶の中に放り込み、「過去の記憶」を更新していくのです。人間の脳は、新しい情報を記憶し、古い情報を忘れるということを繰り返すと、次第に誤認し始めます。そのうち過去が徐々にぼやけていき、新しい「過去の記憶」が作られていきます。」
過去の記憶に支配されているというのは「ホ・オポノポノ」の真髄であり、
私たちが人生に行き詰まりを感じる時は、古い記憶が想起しているわけだから、それをあれこれ詮索するのではなく、
「ありがとう、愛してます・・」といった高い周波数の言葉で上書きすることによって記憶が消去される仕組みです。
つまり「ホ・オポノポノ」では、ネガティブな気持ちが湧き上がった時こそ浄化のチャンスなのですが、
小山竜央氏の場合は気持ちを「感じる」ということには触れず、
「やる気を出すために5分間だけ体を動かす」といった行動主義です。
小山竜央氏は「人間は本来ネガティブである」と言い、
ネガティブな気持ちになるのは、身を守るための術であり、ポジティブ思考は「諸刃の剣」だと言います。
ポジティブ思考は、ある種の爆発的な行動力を生み出すので、「ポジティブでいこう!」という考え自体は悪いものではありません。しかし、諸刃の剣という側面もまります。
実際、カジノで全額をかけて当れば大儲けできますし、そういう人がいるのも事実です。ビジネスであれば一発当てて、大きな結果を残す人もいます。投資も同じです。
しかし、その反面うまくいかない人も大勢いるのです。これが成功哲学の光と影です。成功哲学を学べば何でもうまくいくと吹聴された結果、お金がなくなり、家族を失い、健康を害する人もいることを忘れてはいけません。
多分、ご自身が色々な「セミナー」を経験した結果なのでしょうが、
「自己啓発は宗教だ!」という小山竜央氏は最近、急上昇のようですが、
認定講師(トレーナー)を養成して、セミナーをどんどん拡大していくやり方に、
自己啓発セミナーの原型、「ライフ・ダイナミックス」を思い出しました。
自己啓発セミナーとは、1960年代末のアメリカで生まれ、日本に輸入されたものです。
<自己啓発セミナーは、1960年代末のアメリカ生まれ>
自己啓発セミナーはアメリカで生まれました。その文化・時代背景として挙げられるのが、1960~70年代にかけての人間性回復運動(Human Potential Movement)です。これが心理学的な能力開発産業を生む地盤にもなり、そこにマルチ商法が参入したことで現在の形の自己啓発セミナーが生まれました。
人間性回復運動とは、「社会システムや組織に抑圧された、本来の自己を取り戻す精神的流行」といったようなものです。当時のアメリカは、あらゆるジャンルにおいて大衆社会化が進んだ時期で、既存の権威的組織やシステムからの、知識、情報、権利、そして “人間性” の解放がうたわれていました。
宗教や心理学も、教会や大学といった組織の専売特許ではなくなり、体系的な知識や実績をもたない市民が、サークル的な組織でワークショップを開くようになりました。心理学者の中にも、参画する人が現れました。これらの強力な実験基地となったのが、西海岸のエサレン研究所です。心理学イベントを産業化するベンチャー起業家も現れます。1968年に設立されたマインド・ダイナミックス社が初の自己啓発セミナーですが、これに、ホリディ・マジック(Holiday Magic)という化粧品マルチ商法の関係者会社が目をつけて、セールスマン研修として導入しました。
以降、自己啓発セミナーはマルチ商法人脈によって完成されていきます。
日本の自己啓発セミナーに多大な影響を与えたのは、1970年代初めに設立された、ライフスプリング(Lifespring)やest(Erhard Seminars Training)です。いずれも、設立や経営には、マルチ商法関係者やセールスマンが多く関わっていました。
<日本では、アメリカ人が初開業>
日本には、1970年代初めまでに、ホリディ・マジックを含めたマルチ商法が上陸。もちろん、すぐに社会問題化しました。自己啓発セミナーが日本に上陸したのは、まさにこのさなかのことです。
日本に自己啓発セミナーを持ち込んだのは、ホリディ・マジックでセールスマン研修を請負っていた、ロバート・ホワイトという人物。アメリカでライフスプリング社の設立にも関わっていました。
ライフ・ダイナミックスが、現在の自己啓発セミナーのプログラムを整えて正式にスタートしたのは、1977年です。
ライフ・ダイナミックスは、受講生による勧誘活動によって受講生を増やし、そのセミナー内容と商法を真似する会社も現れました。1980年代半ばから末にかけて、分派や模倣が乱立しました。上陸してきました。
1980年代末に、自己啓発セミナーのブームはピークを迎えます。当然、勧誘活動や高額な料金をめぐるトラブル、受講生の精神的不調などが目立つようになり、新手のマインド・ビジネス、洗脳、人格改造などと、マスコミからさんざん叩かれました。
この「ライフ・ダイナミックス」をレアに体験した団塊の世代の友人の話では、
「若い頃にこういった体験を一度しておくと、その後マインドコントロールされにくいのではないか」と言ってましたが、
その友人と同じ頃に「ライフダイナミックス」を体験した、
意識レベル500越えのジュームズ・アレンの、
翻訳者である松永英明氏は、ライフダイナミックス体験をこう語ってます。
ライフダイナミックスが、本来「効果的な生き方・考え方」を見つけだし、効果的で他の人たちに貢献できる生き方をしていくことが目的のはずなのに、
それがいつの間にか「この素晴らしい体験をして効果的な生き方をさせる」こと、イコール「このセミナーにできるだけ多くの人を参加させること」にすり替えられ、結局「勧誘」が中心的活動になってしまうというのが、最大の問題だと思った。
http://digi-glossolalia.txt-nifty.com/note/2006/09/__3482.html
ライフダイナミックスの「儲け」の仕組みを見抜いた松永英明氏はその後オウムにハマったようですが、
友人は一切怪しげなものに近づかなくなりましたので、セミナー体験とは人それぞれ違うようです。
そして現在では、こういった自己啓発セミナーの系譜が、かなりエグイ形に歪曲され復活してるようで、
小林麻耶さんがハマったという“子宮系女子”には心底驚きました!
小山竜央氏の教えには、こういった「怪しさ」は一切なく、
例えば、夢を叶えるには、
①どれだけ時間を割くか
②その夢を忘れないか
が重要であり、
これをサラリーマンに当てはめると、
①どれだけ仕事に時間を割いているか
②どれだけ仕事のことを考えているか
になるので、「サラリーマンはスーパーマンである」とし、
「普通の人生を歩める人が、一番成功する」と言います。
私はよく自分の生徒に、次のような質問をします。
「あなたは普通の人生を歩みたいですか、それとも普通ではない特別な人生を歩みたいですか?」・・
この質問に、多くの人が「普通ではない特別な人生を歩みたい」と答えます。
しかしそう答えた瞬間に、あなたは大勢の人と共に「多数派」の側に立つことになるので、皮肉なことに特別ではなくなってしまいます。
この質問に対し、私なら迷わずに「普通の人生を歩んでいきたい」と答えます。
ただし、「普通の人生」と言っても、「普通の基準」を上げていくことを考えるようにします。・・
多くの人は、自分の価値観の中で「普通の基準」を低いままに生活しています。その状態で、「普通ではない特別な人生」を送りたいと考えるのは誤りです。
自分の人生を普通でなく特別なものにしたいのであれば、「普通の基準」「日常のレベル」を挙げていくことなのです。
「普通の基準」を上げる最も簡単な方法は、たとえば夜の居酒屋で5000円を使うのを我慢して、その翌日に使わなかった5000円でフランス料理のランチに行ってみることです。
同じ5000円ですが、滅多に行くことのないフレンチレストランで得られるものは相当大きいはずです。
もちろんフレンチにこだわる必要はありません。和食でも中華でもかまいません。5000円も出せばおいしいものが食べられるだけでなく、居酒屋では体験できない洗練されたサービスが受けられます。
要は、同じ5000円を使うにしても、どのように使うかを考えてみるということです。
つまり、普通の底上げをすると、それに伴い現実が創造されるわけで、これまたスピ系の上手いアレンジですが、
小山竜央氏は「気づき」が最も大切だと指摘します。
最も大切なことは、あなたがなんとなく無意識にしている選択が、あなたの日常の行動につながり、それが自然と習慣化している事実にいち早く気づくことです。
自分のなかでそのような、なんとなくの習慣があるか、1日5分でいいので考えることから始めてください。1日5分で1個見つかれば1ヶ月で30個近くに習慣を改善することにもなります。
また、あなたが無意識のうちに居酒屋のような選択をする前に、5分だけでいいので、その選択に対して、本当に意味があるものかどうかを考える習慣を身につけましょう。
この選択に対する小さな意識が、あなたの行動に違いを生み出し、それが後々、大きな成果となって目の前に現われるでしょう。
こういった無意識への気づきは「ライフダイナミックス」など自己啓発セミナーの「定石」でしたが、
お若い小山竜央氏は、しっかり自己啓発&スピ系から学び、モノにした方のようですネ!
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