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無意識の無限の力と美しさを知っていた吉本雄史氏と前世療法の罠

無意識の無限の力と美しさを知っていた吉本雄史氏と前世療法の罠

催眠とは最も古くから使われてきた「心理療法」であり、

2012年のフランス映画、『博士と私の危険な関係』は、
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19世紀フランスにおいて催眠療法で知られた神経科医ジャン=マルタン・シャルコーと若い女性患者オーギュスティーヌの実話を元にしたものですが、

けいれん、意識消失、半身の痛覚の消失、片手の拘縮・麻痺、片方の瞼が開かない、片耳の聴力が弱まる、といった派手な身体症状が、

実は身体の問題ではなく心因性であることを、催眠術の公開実験で実証しました。

19世紀の女性に流行したヒステリーの場合は、身体は何ら変化してませんが、

ニューヨーク医科大学のジョン・E・サーノ博士は、

こういった心因性ヒステリーと同じ仕組みで、実際に「身体組織に変化」が起こるとし、

このTMS理論を理解し、納得するだけで8割方の患者さんが回復しましたが、

「心理療法」が必要な場合もあり、「ヒプノセラピー」もその一つです。

ヒプノセラピー(催眠療法)とは、心理療法のひとつであり、催眠状態(トランス)というリラックスした状態に誘導し、ある一定の暗示を用いて、人為的に特殊な心理状態や生理的な状態に導いていく手法のことです。

ヒプノセラピーは、自分でも気がついていない潜在意識(無意識)に働きかける事ができます。

http://taking-a-stand.jp/hypnotherapy-2336

しかしながら、ヴァージニア大学医学部精神科の教授であるイアン・スティーヴンソンは、厳密な調査で前世があることを実証したこの著書で、

安易な前世ブーム、そして催眠術の危険性に言及しています。

薬物を使うにせよ瞑想や催眠を利用するにせよ、前世の記憶を意図的に探り出そうとすることには、あえて反対の立場を取りたいと思う。

遺憾ながら催眠の専門家の中には、催眠を使えば誰でも前世の記憶を蘇らせることができるし、それにより大きな治療効果が上がるはずだと主張するか、そう受け取れる発言をしている者もある。私としては、心得違いの催眠ブームを……特に前世の記憶を探り出す確実な方法だとして催眠が用いられている状況を、何とか終息させたいと考えている。

どの時代にも患者の回復を願う真摯な治療者もいれば、不埒な治療行為を行うものもいるものですが、

実際に、知人の妹さんが思春期に初恋の相手が病死したショックで「心の病」になり、

発症直後に通ったていた精神分析の偉い先生は、治療行為として「裸」になることを指示したそうで、

果たしてそれが本当に治療行為の一貫だったのか・・20数年たっても回復しない妹の様子を見て、姉としては疑問を感じてるようでした。

そういった中、最近注目の心理カウンセラー大嶋信頼氏の「催眠の先生」は、

信頼出来る「本物」だった様子がコチラの著書で随所に描かれています。

<意識と無意識の遭遇>

無意識で生きている人が”凄い”というわけではないと思う。先生と一番初めに出会ったところは、薄汚れたマンションの一室で「なんでここにサラリーマンのおじさんがいるんだ?」と思ってしまった。まさか、そんなくたびれたサラリーマンみたいな人が催眠の第一人者だなんて思いもしなかった。先生と出会った時、「間違えました!」とそこから逃げようとした。

でも、先生と話をしていたら何となく逃げることができなくなっちゃって、講習を受けることになって、いつの間にか私の催眠の和お師匠さんになっていた(とことん失礼なことを言っているよね!)。

一度、先生と当時勤めていた会社のボスが会食をしたことがあった。ボスは、私の催眠のお師匠さんに興味があったみたいで、何かのきっかけでみんなで食事に行くことになった。ボスはどちらかというと、精神分析寄りの人で精神医学の専門家で”意識”の人であった。

私はファーストコンタクトにわくわくした。宇宙人と地球人が出会ったらどうなるのだろう?というのをライブで見られるようなワクワク感があった。”意識”と”無意識”の出逢いである。

実際に二人が顔を合わせてみると「あれ?全然会話しないじゃん!」という結果だった。”意識”と”無意識”は交わらない、という事実を目撃してしまった。「おー!面白い!」

二人はほとんど会話しない。先生は黙々と中華を食べている。中国人の店員が持ってきたおこげあんかけの「ジュ〜!」という音がやけに大きく聞こえる。そんな時に、ボスが突然、私に向って「本当の腕がいいセラピストは、町の片隅の汚いビルでこじんまりやっているもんなんだよ!」と言った。「???」

「何の意味?どんな脈絡で言ってるの?」と全くわからない。「俺に町の片隅に引っ込め!と言ってるの?」と内心、わけがわからなくなってしまった。私はボスに「はあ、そうなんですね」と答えたが、ボスが黙々とおこげ五目あんかけを食べているレンゲの音がガチャガチャ響いている。

杏仁豆腐を食べ終わって、店の外でボスに挨拶をしている先生の後ろ姿は、普通のサラリーマンにしか見えなかった。その後、先生を送っていったが、その道中で、先生はボスに会った感想を話さなかった。ただ、黙って私たちは電車に乗っていた。何だか、それがとても心地良かった。

あれから20年経って、ボスが言っていた「本当に腕がいいセラピストは、汚いビル」の意味がやっと分った気がした。「あれって、先生のことを言っていたんだ!」とやっとわかった(何で20年もかかっているんだよ!)。だって、ボスは先生がどんなところでカウンセリングをやっているかなんて知らなかったから、まさか、先生のことを言っているなんて思いもしなかった。

”意識”は”無意識”の凄さを知っていた。だからこそ、ダブルバインドをかけて封印してしまう(おい!俺はヤバいことを言ってるかい?まあ、いいか!)。

「本当の腕がいいセラピストは、やっているもんなんだよ!」は私に対するダブルバインドだと思っていた(あ!今!アウト〜!これを言っちゃダメでしょ〜!って書いちゃっていますけど!)先生のところには、たくさんのボスの知り合いが訪れていて、ボスの悪い噂話をたくさん流していたはずであった。でも、先生は一度もボスを判断したことはなかった。「あっている」とか「間違っている」ということを判断しない。

「あ!これが無意識なんだ!」とその時に、先生の凄さに気付かされた。無意識は判断をしない。そこに心地よさを感じていたんだ、と気づいた。

・・・・・・

ペルーから来た不思議な(日本人の)治療士、ペルーの先生も小柄な「普通のおじさん」という感じで、ノージャッジのお方でしたが、

晩年は日本とペルーを3ヶ月毎に往復する生活を続け、「町の片隅の汚いビルでこじんまり」と色々なことを教えてくれました。

その中には奇跡みたいな体験も多々ありますが、先生いわく、「普通にしているのが一番」とのことで、

病氣になる理由については、「(以前は)想念だけかと思っていたけど、物理もあるんだよ」と言ってました。

また、「皆さんはよく本を読みますが・・」とも言ってましたが、

大嶋信頼氏の催眠の先生も似たようなことを言ってたようです。

・・・・・・
「先生!どんな本を読んだらいいですか?と聞いたことがあった。先生は私に対して「う〜ん、あまりないんですよね〜」とあごに手を当てて考えている振りをしながら答えた。

私は「先生が翻訳したあの本は?」と聞いてみた。先生は「う〜ん、そうですね〜、あれには、あまり意味がありませんね〜」と言ってしまった。・・

でも、今になって、先生の無意識の意図がよく私に伝わってくる。知識は、意識的にさせるだけで、無意識さんを邪魔してしまう。無意識の力を全面的に使った時に、その本の中の知識なんて、意味のないただの紙切れに変えてしまう。
・・・・・・

で、大嶋信頼氏の先生は吉本雄史氏のようでして、

残念ながら2011年に逝去なされてます。

ご報告と御礼

心理教育研究所ヒューマン・グロウス・センターは、1982年4月に設立以来、臨床心理職のための研修や講習、また教師、医師、看護師などへの研修・セミナーを行なってきましたが、代表者 吉本武史(本名 吉本雄史)の死去により2011年3月をもって閉所いたしました。

ヒューマン・グロウス・センターの活動は一定の実績を得て代表の遺志により終了いたしましたが、これまで通りに心理臨床の発展と飛躍を熱く希求するものであります。

http://www.mmjp.or.jp/HGC/

ペルーの先生も2012年の4月16日、桜が散り終わった頃のある日に67歳の若さでポックリ逝ってしまいましたが、
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「無意識の力」を使うことができるようになるためには、

”無意識”とは怖いものではなく、限界のない美しいものだと知ってる人と共に時間を過ごすのが、一番の近道だと思います。

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COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 3 )
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  1. アイクさんの本にも「Iam me(私はわたし)」というのがあって、はじめ表紙がアイクさんの素っ裸だったそうですが、おこられてそれは断念した模様です。(・・;)

    書かれてたのはMK関係のコトで、そのやり方は要するに多重人格を人工的に作るとかいったモノで、今日の記事にある身体的組織に変化とかのアブナイことは多分そのコトが当然あると思われます。

    先日紹介したTVドラマ「増山超能力師事務所」も初めはヒト探しやネコ探し、浮気調査とかいった依頼をドタバタと解決するみたいな感じだったんですが、ここにきて主人公の奥さん(多重人格)を超能力のボスが狙ってる、みたいなのになってきました。

    蘭ちゃんの紹介してる本の中に解離性同一性障害について書いてるモノはありますか?
    なんでも女性のほうが9倍なりやすいそうだけど(アイクさんの本でインタビューに答えてる被害者も女性だし)平均して8~9人の複数の人格になるのが多いんだそうです。

    • 言い忘れましたが、この病気は「あまりにも空気を読みすぎる」という障害らしくて、空気の読めないアスペルガー(男性に多い)と対照的なんですネ。(・・;)
      https://susumu-akashi.com/2015/10/did/

      上記のドラマも元は空気の読めないモブサイコから始まったコトだし、なんか符号してるので追伸しまちた。ヾ(*’-‘*)マタネー♪

      • 多重人格や解離性同一性障害について記事にしたことはありませんが、昔は心理学系だったので、けっこう本を読みましたよ。で、宮崎(幼児殺人事件の)のことを話題にしたとき、ペル先生は二重人格って結局ヒョーイだと言っていたような気がします。

        「増山超能力師事務所」は、うちのパソだと見づらいので全部見てませんが、自分の知ってるモブサイコな人たちは皆、「あまりにも空気を読みすぎる」タイプで、

        結局、そういう人達が「苦労する能力」で、影で支えているような気がしますよ。27さんもネ!

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